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​「猫街diary」

2017年 H300×W300×D110 ガーゼ布、リボン、レーヨン糸、毛糸、綿糸 綴織 

私は広島の呉という街が好きだ。穏やかな瀬戸内海を包むような地形、優しい雰囲気の商店街。造船所の赤いクレーンが山の緑に映え、海には大きな船が浮かんでいる。初めて訪れた日から私は呉に魅了され、度々電車に揺られては呉の街を歩くようになった。 

 この作品は、呉に海上自衛隊があることにちなんで水兵服の猫と呉の風景をモチーフに、まどろむ猫のような穏やかな街の雰囲気を表現した。 

 

 技法は綴織で、中心の円形部分は糸を盛り上げるパイルという手法を用いている。前作『Kawaii国』では人物部分のみ立体にしたが、作品の大部分を立体にするとどのような表情が出るかという挑戦でもあった。猫の帽子、水兵服はガーゼ布で制作して猫に装着している。背景は呉の海の波を意識し、色糸を撚る本数を変えてグラデーションにした。背景のピンクから青のグラデーションは浮世絵の背景を意識している。 

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