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「きおくをまとういきもの」
2018年 ジャケットLサイズ 刺繍
自己は記憶からつくられる。記憶の積み重ねにより私たちは、時に人を愛し人を憎む。では、記憶を失ってしまったら、そこにあった愛も感情も全て消えてしまうのだろうか。私たちは日常の中で常に記憶を忘却する。忘却した記憶の中にあった愛や感情が薄れることは一つの救いではあるが、私は忘却を何よりも堰き止めたいのだ。
この作品では、写真の人物部分を切り抜き服に縫い付けることで、空白になった人物がどんな人だったを何度も思い出し、そこにあった愛や感情を忘れないために制作した。
使用しているジャケットは縫い付けている写真から切り抜かれた人の私物である。写真は青のオーガンジーに包まれたもの、水色の特殊布に包まれたもの、むき出しのものの3種類がある。これらは忘れたもの、これから忘れてしまいそうなもの、覚えているものの3つを示している。
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