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​「価値」

2017年 H20×W40×D2 絹糸、反応染料 絣織 

「自分には生きる価値があるのか?」この問いを、多くの人が一度は考えたことがあるのではないだろうか。落ち込んで不安になると、生きているだけで価値がある、なんていう言葉が信じられなくなる。そんな時、ふと浮かぶこの問いに私は一つの答えを持っている。私が長年患っていた心臓病を治すための手術費用が800万円だったのだ。私の命を救うことに、私のこれからの人生に、少なくとも800万円払う価値があった。 

 この作品は「私の人生の価値」を下支えする800万円を、一枚のお札の形で表現している。 

 

 価値を示す作品にふさわしく、使用しているのは上品な光沢を放つ高級絹糸である。柄が明確に出るように青、赤、桃、黄色に括って染め分けた。絣織はかすり足が特徴的な技法だが、今回は柄を合わせ絣足を少なくしたことで、掠れずぶれない価値の姿を表現した。 

第1回アートパラ深川大賞 三井住友あいおい生命賞受賞作品

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